マスタークラス伴奏

今日はイタリアから来日中のソプラノ歌手、ルイーザ・ジャンニーニ(Luisa Giannini)先生のマスタークラスで4人の歌い手さんの伴奏をしてきました。

 

一人ひとりの生徒の問題点を即座に見抜き、それぞれに合った解決法、練習方法を提示し、メンタル面のケアもしながら短時間で的確に指導していく、神業のようなレッスンでした。一人に与えられたレッスン時間はたった50分。

しかし、その50分でどの歌い手さんも見違えるように成長していました。

 

私が伴奏した最後の歌い手さんのレッスンで、先生がプッチーニの「つばめ」というオペラのアリア「ドレッタの夢」のほんの一節を歌った時のこと、そのあまりの素晴らしさに受講した歌い手さんが思わず泣き出してしまう。。。という場面がありました。伴奏していた私も鳥肌が立つような素晴らしい瞬間で、人の声の持つ力の凄さを実感しました。

 

先生が発した、その時の一声から先生の温かいお人柄、一音一音にかける思い、、、ありとあらゆるものが私の心にダイレクトに飛び込んできました。

 

 

レッスンでどの受講生にもおっしゃっていたことは、しゃべるように歌うこと、自然な呼吸法がいかに大切か、ということ。

「正しいブレスをとること、それで歌うという仕事の8割は完了しているのですよ。」という先生の言葉が特に印象に残りました。

 

自然な身体の使い方、自然な呼吸。ピアノの演奏にも通じる大切なことだと思います。

しかし、意識して自然な状態を保つというのもまたとても難しいことなのです。

 

 

人間的にも本当に素晴らしい先生のレッスンで伴奏する機会を得られたことに感謝して、あと2日、残り8名の伴奏もしっかり務めたいと思います。