室内楽への想い

コミクストゥスジャパン第2回公演、千葉での公演まであと10日を切り、カウントダウンが始まりました。いよいよ今週末にはルブロワ氏がフランスから来日し、翌日より丸二日間メンバーみんなでリハーサルを重ね、当日のステージリハーサルを経ていよいよお披露目となります。

 

素晴らしいメンバーと数々の素敵な曲を演奏できることがとても楽しみで今からわくわくしています。

 

今日はなぜ私がこんなにも室内楽に魅了されるのか、私が理想とする室内楽のコンサートとはどんなものだろう?ということを考えてみたいと思います。

 

私の最初の本格的な室内楽体験と言えば、中学生の頃、友人に誘われて参加した管打楽器ソリストコンテスト?(正式名称はよくわかりませんが。。。)の木管部門でフルートとクラリネットの友人と共演をしたことです。放課後や休み時間に一生懸命合わせをして、本番に挑みました。

当時、指導して下さった音楽の先生は私の事を伴奏者さん、伴奏者さんと呼び、ソロ楽器の影に隠れて静かに演奏する事を求められましたが、途中ピアノに出てくる素敵なメロディー、ジャズ風にアレンジされたピアノのベースラインの面白さに心がウキウキし、子供心に、ここは私が自由に演奏するところ。。。と本番では思いっきり良く演奏をしました。私がノルと相手もノッテくるという快感。特に考えたことはありませんでしたが、今思えば、あの時の体験が私に室内楽の面白さを開眼させたのだと思います。確か、金賞だか銀賞だか、、、何か賞を頂き、後日そのコンテストの審査員から頂いた講評には、ピアニストのサポートが光っていました。との一文があり、とても嬉しかったのを覚えています。

 

私が室内楽、アンサンブルに魅かれてやまないのはこの中学生の時の楽器を通じて二人の心が通じ合った瞬間、その瞬間をお客さまと共有しているという肌感覚のようなものが忘れられないからなのだと思います。

 

私が求めている室内楽の理想の姿、、、、というのは、ある曲からそれぞれが感じた思いを楽器を通して表現する。その相手の気持ちを汲んで楽器を通して自分の思いを伝える。その繰り返しののち、クライマックスに向けて奏者の心が一つになっていく。そして、その過程全てをお客様と共有していくこと。

舞台の上だけで盛り上がるのではなく、上手く言葉にはできないけれど、「この曲のこの私のメロディー素敵でしょ」「うんうん、嬉しそうに歌ってるな」「さあ、次はあなたのソロよ」と出し合うパス、サインをお客様に向けても放射する。

 

本当に素敵な室内楽の公演に行くと、自分もその曲の中に参加しているような気分になってきて、「うんうん、私もそう思う」「今のメロディー好き!」と舞台の上の人と会話できるようになる。

 

そんなコンサートがいつかできたらなぁ~と思いながら日々研鑽に励んでいます。いくら一人で練習を積んでも、アンサンブルの合わせをしても、これだけは本番の舞台で場数を踏まなければわからないこと。だから、こうして素敵なメンバーと共演できる私は幸せ者だなぁと思うのです。

 

室内楽のコンサート。。。というと敬遠されてしまうことも多いのですが、ソロよりも刺激的で、オーケストラよりも繊細。奏者一人一人の思いが一つになってしっかりお客様の心に届く。そんなコンサートにしたいなと思っています。

ぜひ会場に足をお運びの上、ご自分の目で耳で室内楽の魅力を感じて下さい!

 

公演情報はこちら