ある日すとんと腑に落ちること

すっかりご無沙汰している間にリサイタルまであと2週間を切りました。
今、リサイタルに向けて猛烈に練習をしています。
と言っても、、、朝から晩まで狂ったようにピアノを弾いているわけではありません。

 

でも、何をしているときでもリサイタルで演奏する曲のことを考えていて、

それは寝ている間にも私の頭から離れることはないのです。ある意味、私に

とっては受験やコンクールの頃より厳しい練習。。。かもしれないです。

 

そんな毎日を過ごしていた中でずいぶん昔に大学のレッスンで先生に言われたことが実感としてすとんと腑に落ちる瞬間がやってきました。

 

それは

 

欲しい音のためならステージの上で丸裸になったっていい。そう思って私はピアノを弾いているのだ。

 

という先生の言葉です。
はたしてどんな場面でどんな文脈で出てきた言葉なのかすら忘れてしまったのですが、急にこの言葉を思い出し、そしてその意味が本当に突然わかった!!のです。言葉ではうまく説明できません。

でも、本当に欲しい音のためなら。。。という先生の心境と先生が求めておられたことがわかったのです。
まだ、私はその境地にまで達することはできないかもしれません。

でも、今度のリサイタルでは、それに近い気持ちで演奏ができそうな気がしています。

 

私の大好きなその先生をはじめ、大巨匠たちの演奏は本当にイキイキとしていて、まるで今その曲がこの世に生み出されているかのよう。それはもう、作曲家と演奏者がその瞬間、一体となっているからに他ならない。。。頭では分かっていても実感として感じられなかったそのことがなぜか急にわかりました。

でも、今、私がわかったと思ったことも5年先、10年先にはあの時の考えはまだまだ甘かったと思う日が来るとは思います。でも、今私ができる最高の集中力と想像力を駆使して作曲家が欲しかった音を奏でたいと強く強く思う様になりました。まさに、欲しい音のためならステージの上で丸裸になったっていい。そんな心境です。でも丸裸にはなりませんが・・・。

楽譜の中から聞こえてくる微かな作曲家の声に耳をすませて、そして本番当日、一瞬でも作曲家と一体になることができたら。。。何か新しい世界が見えるかもしれません。

 

今はそんな気持ちでピアノに向かっています。

4月25日(金)19時より すみだトリフォニー小ホール にてお待ちいたしております。お時間ある方、ぜひ会場にお出かけください。

リサイタル詳細